人文学研究叢書 No.41~

No.50 村井まや子・熊谷謙介(編著)『動物×ジェンダー マルチスピーシーズ物語の森へ』青弓社、2024年

No.50 村井まや子・熊谷謙介(編著)『動物×ジェンダー マルチスピーシーズ物語の森へ』青弓社、2024年
  • 序文 マルチスピーシーズ物語の森のマッピング 村井まや子/熊谷謙介

第1部 記された<動物>と<性>

第1章 共苦による連帯とその失敗――大江健三郎「泳ぐ男」における性差と動物表象の関係を手がかりに 菊間晴子
  1. 大江作品にみられる動物表象
  2. 想像力の挫折の物語としての「泳ぐ男」
  3. 女性の犠牲者に対するまなざし
  4. 動物としての男性
  5. 非‐動物としての女性
  6. 共苦から生まれる動物との連帯
  7. 共苦する想像力、その限界と暴力性
  8. 「わからなさ」の先の共同性
第2章 多和田葉子の動物演劇の試み――『夜ヒカル鶴の仮面』から『動物たちのバベル』へ 小松原由理
  1. 両テクストにおける動物の役割
  2. 言葉遊びから始まる――人間と動物の「重なり」
  3. 穴アキアナーキー演劇」として?――動物演劇のアンガージュマン
第3章 皮膚感覚的快楽の果てをめざして――松浦理英子『犬身』論
熊谷謙介
  1. 熱い触れ合い――『犬身』前後
  2. 人間―犬―狼の異種間コミュニケーション
  3. スキンシップと性的快楽のあわい
第4章 マルチスピーシーズ・フェアリーテール研究序説 村井まや子
  1. ATUインデックスと人間中心的バイアス
  2. 「マルチスピーシーズ・フェアリーテール」の分類法
  3. マルチスピーシーズ・フェアリーテール・ライブラリー

第2部 多様な種の文化表象へ

第5章 銃を持つダイアナ――二十世紀転換期アメリカにおける狩猟とジェンダーをめぐる言説 信岡朝子
  1. 狩猟する女性の「発見」
  2. アメリカの祖先としてのハンター
  3. 文明的な狩猟の創造
  4. 安全装置としての女性ハンター
  5. 象を撃つダイアナ――デリア・エイクリーの狩猟記
  6. 男性らしい(manly)白人女性の自意識
第6章 オーストラリア児童文学におけるアボリジナル文化――精霊の表象を手がかりに 鈴木宏枝
  1. パトリシア・ライトソンの試み
  2. スー・マクファーソン――共生と抱擁
第7章 モクモク村のQちゃん――「野性」と「男性性」のクィア・リーディング     菅沼勝彦
  1. 『モクモク村のけんちゃん』
  2. セジウィックと「クィア・パフォーマティヴィティ」
  3. けんちゃんと魔王の男性性
  4. モクモク村のQちゃん
  5. 「クィア・パフォーマティヴィティ」と「フェロックス」の実践
第8章 ワクチンとしての物語――章夢奇のドキュメンタリー作品における女性の語りを手がかりに 秋山珠子
  1. 幼女たち
  2. 少女たち
  3. 老女たち

No.49 吉澤 達也(Tatsuya Yoshizawa)(編著)『A Sense of Plausibility in Vision and Music Perception』朝倉書店、2023年

No.49 吉澤 達也(Tstsuya Yoshizawa)(編著)『A Sense of Plausibility in Vision and Music Perception』朝倉書店、2023年

Part I Plausibility in Visual Perception

  1. Visual Plausibility of Objects and Mechanisms of a Sense of Plausibility -Tatsuya Yoshizawa
  2. Camouflage, and Its Relationship with Plausibility -Nicholas E. Scott-Samuel
  3. Is Chromatic Motion System Lateralized?
    —On the Issue of Lateralization of Visual Function— -Haruyuki Kojima
  4. An Implausible Impression of Stereogram Could Be Due to Perceptual Enhancement of Luminance Modulation -Goro Maehara
  5. Urban Design and Visual Plausibility
    —When Vision Leads the Body Astray— -Ute Leonards

Part II Plausibility in Music Perception and Speech Perception

  1. Effects of Perceptual Grouping in the Brain Processing of Sounds -Kentaro Ono
  2. The Processing of Tonal Organization in Music -Rie Matsunaga
  3. The Audience Effect on Music Performances -Haruka Shoda
  4. A Kalman Filter Model for Adaptation to Delayed Auditory Feedback in Adults Who Stutter -Nobuhiko Asakura

No.48 齊藤 ゆか・森 和夫・西村 美東士(編著)『学びの見える化の理論と実際―教育イノベーションにむけて』勁草書房、2023年

No.48 齊藤 ゆか・森 和夫・西村 美東士(編著)『学びの見える化の理論と実際』勁草書房、2023年

第1章 なぜ、学びを見える化するのか

  1. 教育・学習を見える化する意義と役割
  2. 教育・学習における問題
  3. 能力の見える化から学びの見える化へ

第2章 学びの見える化の方法論

  1. 学力の見える化をめぐる問題
  2. 能力の見える化の方法としてのクドバス
  3. 職業能力の見える化がもたらすもの:必要能力の構造的理解
  4. 見える化プラットフォームの設定

第3章 企業における学びの見える化の実践

  1. 現場力を向上するシステムの構築
  2. トヨタ自動車(株)の技術・技能伝承活動
  3. 技術・技能伝承コンサルテーションのプロセス
  4. 看護管理者教育システムによる副看護師長育成
  5. 開発コンサルタントに必要な能力

第4章 行政・非営利組織における学びの見える化実践

  1. 海外技術協力プロジェクト・コンサルテーション
  2. 自治体における生涯学習・まちづくりの企画立案
  3. ボランティア・NPOの協働
  4. 体験活動の普及を図る民間団体の持続的な運営体制と課題
  5. 若者への理解と支援活動

第5章 学校における学びの見える化実践

  1. 国による高等教育の質の保証の動向
  2. 社会教育主事等の養成カリキュラムの開発
  3. 助産師教育の問題と実習教育の課題
  4. 中学・高校の社会科教育の「教え」と「学び」
  5. 保健体育科教員の養成プロセスと実習教育の課題
  6. 古典武術の暗黙知分析に基づく教材開発

第6章 学びの見える化の課題と展望

  1. 学びの見える化の課題:
    学びの見える化を妨げる「能力論」の動向を中心に
  2. 学びの見える化の課題から展望へ

No.47 鈴木 宏枝(著)『アフリカン・アメリカン児童文学を読む―子どもの本という「励まし」』青弓社、2022年

No.47 鈴木 宏枝(著)アフリカン・アメリカン児童文学を読む―子どもの本という「励まし」青弓社、2022年

序 章 アフリカン・アメリカン児童文学と「励まし」

  • 1 アフリカン・アメリカンとは誰か
  • 2 アフリカン・アメリカン児童文学とは何か
  • 3 「励まし」としてのアフリカン・アメリカン児童文学
  • 4 本書の構成

第1章 アメリカのなかの他者

  • 1 『アンクル・トムの小屋』にみる隷従
  • 2 『アンクル・リーマスの話』にみるミンストレル・ショー
  • 3 アメリカ児童文学の黒人

    第2章 アフリカン・アメリカン児童文学の輪郭

  • 1 アフリカン・アメリカン児童文学の歩み
  • 2 自伝や伝記の意義

    第3章 「ブラウニーズ・ブック」の意義

  • 1 W・E・B・デュボイスの教育観とハーレム・ルネサンス
  • 2 アメリカの子ども像の多様化に向けて
  • 3 アフリカへの親近感――「中間航路」の逆走

    第4章 「わたしには夢がある」への応答

  • 1 人種隔離の手枷と人種差別の足枷――『とどろく雷よ、私の叫びをきけ』
  • 2 われらの白人の兄弟――『ミシシッピの橋』
  • 3 アメリカの夢に深く根差した夢――『土地』

    第5章 歴史の受容

  • 1 墓石による防御――『偉大なるM・C』
  • 2 虐待と病の受容――『マイゴーストアンクル』
  • 3 神話の創造――『プリティ・パールのふしぎな冒険』
  • 4 南部の鎮魂――『犂を打ち鳴らす』

    第6章 ネットワークの形成

  • 1 奴隷逃亡のネットワーク――『ハリエット・タブマン――地下鉄道の車掌』
  • 2 ストリート・チルドレンの共同体――『ジュニア・ブラウンの惑星』
  • 3 ハーレム地区の共助と新しい男らしさ――『ニューヨーク145番通り』

    第7章 言葉の力

  • 1 アフリカの言葉に宿る力――「すべて神の子には翼がある」
  • 2 複数の言葉から生まれる空間――『次女――ある奴隷少女の話』
  • 3 詩作でつながる若者――『ブロンクス・マスカレード』
  • おわりに――アフリカン・アメリカン児童文学というプラットフォーム:子どもを跳ばせる力

No.46 孫 安石・大里 浩秋(編著)『明治から昭和の中国人日本留学の諸相』東方書店、2022年

No.46 孫安石・大里浩秋(編著)明治から昭和の中国人日本留学の諸相 東方書店、2022年

第Ⅰ部 明治期の留学開始の諸相

  • 章宗祥編『日本遊学指南』を読む(孫安石)
  • 清国留学生と『訳書彙編』の発行――創刊と財政、販売を中心に(郭夢垚)
  • 寺尾亨の東斌学堂と留日学生(一九〇五~一九〇九)――『向巖家書』を中心資料として(王鼎)
  • 正則英語学校と清末の中国人留学生――上海での教科書裁判の紹介を兼ねて(川尻文彦)
  • 清末期蚕業留日学生と中国蚕糸業会(東京)(王怡然)
  • 清末の旗人留日学生――『大同報』を中心に(阿部由美子)

第Ⅱ部 大正・昭和期の受け入れ側の諸相

  • 日華学会の中国における活動――北京駐在員高橋君平の事例を中心に(陳珂琳)
  • 同仁会による留日医薬留学生の支援(見城悌治)
  • 東京帝国大学の中国人留学生関係文書を読む(大里浩秋)
  • 東京工業大学と戦前の中国人留学生(佐藤由利子・村松晶子)

第Ⅲ部 日中戦争期と戦後の留学生の諸相

  • 中国人の日本留学と「日本研究」――団体と雑誌を中心に(一九一五~一九三一)(高柳峻秀)
  • 朱紹文研究員と戦時下の日本留学――一高特設高等科と東大経済学部を中心に(田島俊雄)
  • モンゴル喇嘛僧の日本留学――真言宗と浄土宗を中心に(池田健雄)
  • 中国留日同学会とその活動――『中国留日同学会 季刊』に見る(川島真)
  • 中国留日同学総会の財務状況の考察――機関紙『中国留日学生報』の広告を中心に(荒川雪)

No.45 関口 博巨(著)『近世村落の領域と身分』吉川弘文館、2021年

No.45 関口博巨(著)『近世村落の領域と身分』吉川弘文館、2021年
  • 序章 問題の所在と本書の構成

第一部 村の構造と「村」領域―ムラの仕切り

  • 第一章 関東の「村」と百姓土地所持―武州志多見村を中心に―
  • 第二章 関東の「村」と村運営
  • 補論 賤民の「村」と弾左衛門支配―境界の住人たち―
  • 第三章 土地慣行にみる「ムラの自力」―近代への展望―

第二部 百姓と従属民―身分の仕切り

  • 第一章 奥能登における「下人」化の諸契機 ―近世前期の時国家を中心に―
  • 第二章 奥能登における「下人」の職能と生活―時国家の「下人」たち―
  • 第三章 甲州山村の家抱とその「自立」―西河内領福士村の事例から―

第三部 身分社会の越境者―仕切りの透過性

  • 第一章 ムラと越境者の近世史・素描 ―豆州伊東の湊・峠・温泉―
  • 補論 寛政三年の陰陽道騒動―豆州伊東の温泉―
  • 第二章 屋敷墓・持仏堂・道心者―武州志多見村松村家の地蔵堂を中心に―
  • 第三章 江戸地廻り経済の展開と近江商人―武州平沼村河岸―
  • 終章 本書の総括と展望

No.44 熊谷 謙介(編著)『男性性を可視化する〈男らしさ〉の表象分析』青弓社、2020年

No.44 男性性を可視化する〈男らしさ〉の表象分析』青弓社、2020年
  • 序文
    マスキュリニティ、二十世紀、表象熊谷謙介
  • 第1章
    表現主義のマチズモとアウトサイダー性西岡あかね
  • 第2章
    新しい男の誕生?――ダダにおける「新しい人間」のマスキュリニティ小松原由理
  • 第3章
    洪深のアメリカ留学体験――自伝における人種差別・恋愛、そして演じること中村みどり
  • 第4章
    男らしくない西部劇小説『シェーン』――冷戦期アメリカの核/家族古屋耕平
  • 第5章
    「人間らしさ」への道、「男らしさ」への道――ラルフ・エリソン『見えない人間』山口ヨシ子
  • 第6章
    母、マジョリティ、減退する性――ロマン・ガリと男性性熊谷謙介
  • 第7章
    飛ばなかった王子――マシュー・ボーン版『白鳥の湖』にみる男性性と現代社会菅沼勝彦
  • 第8章
    現代美術にみる狩猟と男性性――おとぎ話文化研究の視点から村井まや子

No.43 上原 雅文(編著)『自然・人間・神々―時代と地域の交差する場』御茶の水書房、2019年

No.43 上原 雅文(編著)『自然・人間・神々―時代と地域の交差する場』

第I部 世界史の中の神々と自然

  • 第一章 世界史の中の神話と宗教
    ―ヘーゲル「世界史の哲学」初回講義を素材として伊坂青司
  • 第二章 日本の自然観の変遷
    ―神信仰と外来思想との関係をめぐって上原雅文

第Ⅱ部 自然と女性

  • 第三章 異類・女性・変身
    ―アンジェラ・カーターとアナ・マリア・パチェコの作品にみる民話的変身のモティーフ村井まや子
  • 第四章 ヴィーナスの運命 一八七〇~二〇一三年
    ―マゾッホからポランスキーまで鳥越輝昭

第Ⅲ部 聖なるものの場所

  • 第五章 ウェールズにおける聖なる泉への巡礼
    ―中世から近世の聖ウィニフリッドの泉山本信太郎
  • 第六章 鯨塚から考える日本人の自然観と倫理坪井雅史

第Ⅳ部 自然と環境

  • 第七章 イスラームはエコ・フレンドリーか
    ―オマーンの学校教科書および説教集にみる環境言説大川真由子
  • 第八章 風水と自然観―中国江西省贛南地区の村落調査から小熊誠

No.42 孫 安石・大里 浩秋 (編著)『中国人留学生と「国家」・「愛国」・「近代」』東方書店、2019年

No.42
							孫 安石・大里 浩秋 (編著)『中国人留学生と「国家」・「愛国」・「近代」』

第Ⅰ部 中国人留学生と「国家」の発見

  • 清国留学生会館研究初探
    ―「国家」と「愛国」のはざまSON Ansuk(孫安石)
  • 清末中国人日本留学生の初期活動について
    ―励志会と訳書彙編社を中心に郭夢垚
  • 中国人留学生の日記から読み取る日常生活
    ―下宿屋という都市空間を中心に欒殿武

第Ⅱ部 中国人留学生と文学―「愛国」を求めて

  • 余計者としての留日学生
    ―張資平「一班冗員的生活」を中心に林麗婷
  • 留学と愛国、そして詩
    ―聞一多と鄭伯奇・穆木天鄧捷
  • 中国人留学生が語る「日本」
    ―郁達夫「帰航」とイギリス排日小説『キモノ』(Kimono中村みどり
  • 中華学芸社とその機関誌『学芸』について潘吉玲

第Ⅲ部 戦争と混乱の狭間でみた「近代」

  • 「満州国留日学生会」の諸活動とその実相見城悌治
  • 「対支文化事業」における「特別講習会」
    ―東京帝国大学農学部の事例を中心に三村達也
  • 一九五〇年代半ばの中国留日学生と日本国費留学制度再開川島真
  • 一九五〇、六〇年代の中国留日同学会と華僑社会
    ―陳学全さんに聞く大里浩秋

No.41 深沢 徹(著)『新・新猿楽記―古代都市平安京の都市表象史』現代思潮新社、2018年

No.41 |『新・新猿楽記 古代都市平安京の都市表象史』 深沢 徹

白兎のとびはね

  • 第一章
    都市へのまなざし(一)
    ―古代都市の生成
  • 第二章
    中心は空虚である。
    ―欲望喚起装置としての「内裏」と、古代都市平安京の消長
  • 第三章
    都市へのまなざし(二)
    ―『池亭記』異論
  • 第四章
    うつろの楼閣、六条院
    ―慶滋保胤『池亭記』の影を、そこに見てとる

黒猿のうそぶき

  • 第五章
    都市へのまなざし(三)―『新猿楽記』謬見
  • 第六章
    一〇〇〇年紀の社会学者
    ―藤原明衡筆『新猿楽記』における芸能の位置

金狐のあやかし

  • 第七章
    都市へのまなざし(四)
    ―ラカンで読む『方丈記』
  • 第八章
    いちじるき主体構築
    ―『愚管抄』にみる、「カタカナ表記」のパフォーマティビティ

赤駒のかけり

  • 終章
    星の降る街
    ―〈知〉の越境、もしくはメディアとしての「未来記」
  • あとがきに代えて
    主要人名索引