スペイン語辞書案内
Guía de los diccionarios de español


スペイン語の辞書を選ぶための参考資料として現在日本で刊行されている主な対訳辞書(西和・和西)を紹介します。辞書の掲載順は発行年または改訂年の新しいものから古いものへとさかのぼっており,推薦順位を表すわけではありません。この紹介を参考に店頭で実際に比較してみることをお勧めします。

各辞書の見出し語数は出版社の公称であり,辞典によって数え方が異なるので,一応の目安と考えてください。 洋書の価格は購入ルートにより相違するので,表示してありません。 なお,ここで述べられているコメントはあくまで個人的なものであり,大学や学科の意見を代表するものではありません。


<西和辞典(中辞典)>

 スペイン語専攻の学生にてとって,このクラスの辞典は必需品であるが,電子辞書の項と合わせて参照のこと。


<電子辞書>

 電子辞書は携帯に便利で,引くのもたやすいが,紙の辞書と違って一覧性がないので,最初の語義だけ見て他の語義や用例は見ないで済ましてしまうということになりがちである。できれば電子辞書は携帯用とし,家では紙の辞書を使って用例まできちんと目を通すのが望ましい。電子辞書のその他の欠点は,思いがけないときに電池切れになる場合があること,万一液晶などを壊してしまうとゴミにしかならないことである。ところで,スペイン語の電子辞書は,現在のところ西和・和西に関する限り選択の余地がまったくない。というのは,コンテンツとして入っているのはすべて白水社の西和・和西辞典だからである。各社がスペイン語の電子辞書を初めて出した時期にこの辞典しか利用できるデータがなかったためである。したがって選ぶには,価格,使い勝手,西和・和西以外のコンテンツなどを比較・検討するしかない。使い勝手や画面の見やすさは実際に試してみると良い。各社とも発売時期の古いものを含め,かなり多数の機種を出しているので,代表的なものだけを取り上げる。他の電子製品と同じく実売価格は店により異なるが,25,000〜35,000円程度である。


<西和辞典(小辞典)>

 小辞典には初心者向きのものと実用目的のものがある。初心者向きは基本的な語義が容易につかめる利点はあるが,どうしても語彙数が不足で,初級の後半程度に進むと,もう役に立たない。実用向きのものは,用例を最小限に抑えて語数を増やしたもので,携帯に便利であり,2冊目の辞書としては有用であるが,記述がしぼってあるので,初心者向きとは言えない。どれも小規模ながら和西辞典または和西索引が付いている点は便利である。


<和西辞典>

 初級の学習段階では当面和西がなくても済むが,それ以上になればぜひとも必要である。

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<西々辞典(中辞典)>

 西和のような対訳辞典ではどうしても意味の近似値しかつかめないので,正確な語義を知りたいとき西々辞典を見ると,納得できることがある。ただし,基本的に西々辞典は母語話者のために書かれたものだから,外国人にとってわからないことや必要なことが落ちていることもある。だから,スペイン語圏で有名な辞典が外国人にとって必ずしもよい辞典とは限らない。西々辞典は,学生の場合,図書館などで利用できるが,スペイン語専攻の学生,とりわけ語学や文学を専攻する学生ならせめて1冊くらいは持っていたいものである。
 ここで取り上げる辞書は,いずれも日本の辞書のようにコンパクトではなく,大きな判型であるが,語数はだいたい日本の中辞典の規模である。90年代以降に刊行された辞典は日本の学習辞典と似た性格のものが多く,使いやすくなっている。中でも,学習者にお勧めできるのはEstudiante, Esencial, Salamanca,Claveなどである。


<西々辞典(大辞典)>

 ここに挙げるものの多くは2巻から成る大型の辞典である。


  • 初版:2002(平成14)年10月26日
  • 6 版:2008(平成20)年 5月5日